概説
川又さんは東大の数学の教授です。すごい人です。とんでます。この方の天才ぶりは
授業中も遺憾なく発揮されます。たぶん今日の論題が書いてあるルースリーフ1枚のみ
持ってきて、90分間講義をします。証明も、講義ノートなど一切持参せずに
自力でやってのけます。また、普通なら途中の計算式や式変形が欲しいところを
頭の中でやってしまうので、あれっ、いまどうやって変形したの?と思うことは
数知れず。自分で行間をかなり埋める必要があることもしばしば。
ある日のエピソード:
生徒A: |
先生、その上から下への変形がなぜそうなるのかわからないのですが。 |
Mr.川又: |
これは・・・ここから(上の式を指して)・・・こう(手を下の式に
動かして)・・・ 導けるからこれでいいわけですね。なにか間違ってますか? |
生徒A: | ・・・ |
いかにすごいかわかってもらえると思います。生徒がどこが、なぜわからないのかが
わからないという、師弟のレベルが違いすぎるときにおきる典型的症状です。
だんだん生徒自身もどこからわからなくなってきたかわからなくなります。
これも悪循環の典型例です。
生徒B: |
先生、いまのところがなんかよくつかめないんですが。 |
Mr.川又: |
どこからわからないですか? |
生徒B: |
・・・全部です。 |
Mr.川又: |
そんなんだめですよ。どうわかんないか言ってくれないと説明できないじゃない
ですか。 |
ただ付け加えて言っておくと、冬学期にも同じ講義がありましたが、そのときには
かなりまともだと思える講義になっていました。授業評価アンケートでかなりきつい
ことを書かれて、思い直したんでしょうか。
受講ポイント
出席はとらないので、この先生にはついていけないと思ったら思い切って独学する
ほうがいいかもしれません。試験は演習に出した問題から結構出ました。1問だけ
challengingな問題がありました。
買った教科書・参考書 | 役に立ったか |
線形代数入門(斎藤) | ☆☆ |
キーポイント線形代数(薩摩ほか) | ☆☆☆ |
参考:逆評定
2000年度版 | 2001年度版 | 2002年度版 |
鬼 | 鬼 | 大鬼 |