数学IA

戸瀬 信之


概説

 戸瀬さんは慶応義塾大学・経済学部教授で、「〜ができない大学生」シリーズの 執筆者の1人です。ご自分のページ http://www.math.hc.keio.ac.jp/tose/でゆとりの教育反対運動などを展開して います。

 そのような方だからか、東大での授業も半端ではありません。シラバスで予定して いた内容はもちろんのこと、eの行列乗など2年の範囲までさくさく進みました。 Aなので証明もそれなりに丁寧にやるため、ノートの量もすごいことになります。 しかも板書の速さも超特急。途中でついていけなくなった人もいるのではないで しょうか。演習問題も授業中にたくさん出ます。提出するのは1回だけでしたが。

 しかし、教授の性格もあってか、授業の雰囲気としてはスパルタ授業という感じでは ありませんでした。途中の区切れでゆとりの教育や文型人間に対する痛快な自説を 語るときには非常に笑えます。あと、戸瀬さんのエピソードといえば、彼は自分が 数式の展開がうまくいかないときに、必ずごまかそうとします。「ん?何か質問が あるんですか?」としゃべっている生徒を注意するふりをして時間をかせいだり してます。口癖は「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと今日は調子がわるいんですよ」。 調子がよかったことなんてない気がしますが。

 試験に関しては彼はかなり仏だと個人的には思います。過去問を自分でコピーして 配ってくれ、またほとんどそこから出ました。過去問にヤマを張った私ですがおかげで 45分ほどで全部解けて、提出してしまいました。評価も甘い方ではないでしょうか。 ちなみに彼は逆評定を気にしているらしく、授業中に生徒のもっていた逆評定を 借りてました。その「優4割で残りは79点か?」というコメントに対して、 「優4割なんてことはないですよ。まあ3割9分ならありえますけど。文科省が 小数点第2位以下は計算しなくていいって言ってるんですから、そんなん誤差ですよ。 文句なら文科省に言ってほしいですよね。あと、何人かは毎年不可が出てます」 とおっしゃっていました。まあ本当かどうかは知りません。

受講ポイント

 ともかく板書が速いので気をつけましょう。1年の範囲ではないところなどは絶対に ノートはほしいと思います。あと字が小さいので、できるだけ前に座るようにしま しょう。もっと字を大きく書いてほしいと言っても、「前まだ席空いてますよー」と とりあってくれません。理解しながらノートをとるのは難しいかもしれませんが、 私は口で言った説明や変形のメモなどを細かく書いていたらあとでノートを見直すと 結構わかりました。まあ自分なりのノートのとり方をはやく身につけることですね。 試験勉強は過去問をやりましょう。戸瀬さんがくれなくてもWebに結構載っています。 数学IAの割には試験問題は証明問題が少なく、実践的な問題で個人的には良かったと 思います。

買った教科書・参考書役に立ったか
解析演習(杉浦ほか)☆☆

参考:逆評定
2000年度版2001年度版2002年度版
大仏