分数の割り算の意味

 バイトで個別指導塾の講師をしているとき、分数の割り算ができなかった 生徒にこの説明をしたら好評でしたので、ここにも載せることにしました。


 「おもひでぽろぽろ」でも出てきた分数の割り算ですが、みなさん計算は できても意味がわからん、という方がいるのではないでしょうか。理解できず 悩んだ主人公に共感を覚えた人も少なくないと思います。そこで、今回一つの 説明を試みてみます。

 まず、「割り算」とはどういう計算でしょうか?これは、今使っている 単位を別の尺度の単位に変換することを考えるとわかりやすいと思います。

 例えば、3000mは何kmでしょうか?3kmですね。これはわかると思いますが、 この時どんな計算をあなたはしましたか?3000÷1000という計算をしたのでは ないでしょうか。この計算をなぜするのかというと、1kmは1mの1000倍の単位 だからです。1000倍の尺度で測り直すとき、1000で割る、という計算をして その値にします。

 さて、

1000倍の尺度で測り直すとき、1000で割る

という計算をすることがわかりました。ここで、逆の場合はどうなるか 推定してみましょう。例えば、今度は2kmは何mなのかを考えてみます。

 今回は何倍の尺度で測り直すのでしょうか?1mは1kmの1000分の1ですから、 1/1000倍の尺度で測り直すわけですね。そこで、先ほどの計算の方法をまね してみると、

1/1000倍の尺度で測り直すとき、1/1000で割る

という計算をすればよいのです。ここで出てくるのが 分数の割り算 なのです。すなわち、

2÷1/1000=2×1000=2000

として答えが出るわけです。しかし、私たちはもう最初の2÷1/1000という 式をわざわざ思い浮かべず、2×1000を計算するように洗練されているので、 すぐに計算ができるのです。

 他の例もやってみましょう。1時間半は何分ですか?1分は1時間の 1/60倍なので、上の計算をまねしてみると、

1.5÷1/60=1.5×60=90

となり、90分、という答えがでます。

 いかがでしたか?分数の割り算とは、意識していないかもしれませんが 実は身近に使われているものなのです。これを読んで、他の人に自慢したく なるような人がいるとうれしいです。

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